VOICE加盟店様の声
住宅診断後に約7割からリフォーム受注
計1万件の顧客に安心提案
コロナ禍で住まいの診断事業を本格化したことで新しいニーズの開拓に成功したのがモリシタ・アット・リフォーム(兵庫県姫路市)だ。 4月から顧客に対する屋根診断を月20件ほど行い、そのうち6,7割が契約につながっている。 診断事業の推進に寄与しているのが、日本住宅保全協会の「住まいの無料健康診断」だ。代表取締役の森下吉伸氏にその概要をきいた。
福田よろしくお願いします。
ではまず最初に加盟された時期と動機、教えて下さい。
森下時期は2019年7月頃ですね。
動機はまずは人材面ですね。
どこのリフォーム会社さんも同じ悩みがあるかもしれないですがとくに、営業や技術系の人材がなかなか定着しないという課題がありました。
そういう意味でマンパワーに頼った仕事のやり方以外の、仕組み・枠組みのようなものを作っていけないか、と思ったところが一つです。
ウチではないとできない、ウチ強みを生かしたサービスはないかと探していたということもありましたが、その時に偶然出会ったのが日本住宅保全協会さんの「住まいの健康診断」です。
福田サービスの良さを教えてください。
森下最初からすごくいい、と思ったわけではないんですw
ただリフォーム会社の在り方として、地域密着ということがあると思うんですが、そういう中で、「住まいの健康診断」の過去のお客様の履歴を追いながら、住宅診断を行っていくというのはウチに合うんじゃないかと思いました。
最初はとりあえず試してみようという気持ちでやってみたら意外にあっさりお客様が受け入れてくださいました。
なのでウチでは既存のお客様のアフターフォローに使っていけたら面白い!と思いましたね。
福田OBのお客様はどのくらいいらっしゃるんですか?
森下1万件以上です。その中でも何度もウチにお問い合わせいただいているお客様はそのうちの約半分ぐらいですね。そのお客様には定期的にアプローチさせてもらってます。
福田そのアプローチの仕方は??
森下一つは「モリシタチャンネル」というニュースレターです。紙媒体から徐々にデジタルへ移行させています。
それとお客様へのメールDMですね。
あとは月一回のイベントです。
福田お客様からの反応はどうですか??
森下お客様からの反応を本当の意味で実感できたのは実はこのコロナ禍になってからなんですよ。
コロナの影響でとにかくお客様からの反響がぐーんと減って営業も外に出られなくなったときに、こういう時だからこそもう一度既存のお客様としっかり向き合おうということで全員で「住まいの健康診断」を売り始めました。
そうしたところ、こんなコロナの時期なのにお客様から「そういうことなら自宅に来ていいよ」と仰っていただけたんですね。
その時に「あーこのサービスはいける」と本当の意味で思えました。
福田コロナ禍でもそういった反応をいただけたということは、やはりそこには潜在的なニーズがあったということですね。
森下そうですね。思った以上の方が「自分の自宅は大丈夫なのか」という不安を抱えていらっしゃるということですね。リフォーム会社でも今は特に大型リフォーム案件を好む傾向で小さい、アフターメンテナンス的な案件を敬遠しがちです。そういった中でお客様の本当の気持ちを理解していなかったのかなと。
福田例えば2020年の4月はどのくらい診断されたんですか??
森下22件診断ができて、以降その数字をコンスタントに維持してます。そのうち、保険が下りて工事になる案件もありますし、保険は下りなかったけど、その後別の工事につながることもありました。20件のうち10件は保険工事、残りの5件ぐらいは保険不支給でしたが、別の工事につながっているので、そういう意味では調査したお客様のうち6割7割ぐらいの受注率ですね。
福田成約率高いですね。ちなみに保険が下りたお客様ってどのくらいの規模のリフォームをなさるんですか??
森下平均で40万円ぐらいですね。とはいえ保険の支給額にもよるので被害の状況によってはかなり大がかりな工事になることもありますね。純粋な保険工事だけではなく、保険で認められた足場を使って同時に塗装工事を受注するなどして、さらに売上を大きくしているかんじです。
福田コロナで家のことが気になる、というような消費者心理も影響したと思われますか?
森下それはあったと思います。そして「住まいの健康診断」はそういった消費者マインドには最適な商材だったと思いますね。
福田今後も御社としてアフターメンテナンスは続けていきますか??
森下今後はアフターメンテナンスというよりも定期点検という形で対象となるお客様にアプローチさせていただきます。特にコロナ禍において、自宅に関して不安に思っていらっしゃる方が多くいることがわかり、そういう不安の解消のお手伝いがしたいという気持ちでご提案するとお客様からも受け入れていただけやすいと考えています。
福田そして保険が下りれば、その資金で工事ができるということですよね?
森下そうですね。保険が少額だった場合は追加でもらうこともありますが基本はそうです。
福田工事を行ったお客様の満足度を教えてください。
森下まず、実費負担が減ったお客様の満足度は当然高いです。そこに合わせて、弊社では耐震・床下の点検も合わせて行い何か問題があれば、おりた保険金を活用して直しますので、 安心感、費用面でもご満足いただけたと実感しています。
福田保険がおりたお客様は全て工事されるんですか??
森下ほぼそうですね。
福田繰り返しになりますが、20件のアフターメンテナンスのお客様のうち10件で保険支給があり、受注になり、さらに支給されなかったお客様からもなんらかの需要が生まれているということですね。
森下そうですね。協会に所属し様々な研修を受けることで、保険支給につながる案件に対する営業担当者の感覚も養われていきますし、 保全協会さんのサポートがあることでより保険支給の確率が高まっているので、そういう数字につながっていると思いますね。
ウチのような加盟後まだ日が浅い会社でもそういった数字が出せているので、他の会社さんでも同様の数字は得られるのではないでしょうか。
福田協会に加盟される前は保険工事の経験とかあったんですか??
森下あったかもしれませんが、ほんと記憶にないぐらいなのでそのぐらい少なかったと思います。
福田保険申請に関するハードルとかありましたか??
森下そもそも火災保険がこういう形で使えるなんてことを知りませんでしたからね。だから今までお客様に提案してこなかったということなんでしょうね。
福田点検はどなたがされているんですか?
森下リフォーム関係の部署のスタッフが行っているケースがほとんどです。
営業マンが減っていくという話もありましたが、 そういう意味で、リフォームのスタッフや工事のスタッフが対応するということで、売り込みやセールストークによる集客とは違うので、お客様の心理的なハードルも下がっているように感じます。
福田既存のお客様ということで、すでに過去にリフォームをされているということですが、そういったお客様からもさらに工事の受注ができているんですね。
森下最近では施主様の高齢化がささやかれていますが、それでもお客様からの需要は途切れていませんし、更にご紹介などもいただけますね。
また日本では自然災害が定期的におきますので、そういった意味でも需要がなくなることはないので今後も既存のお客様との接点は持ち続けたいと思います。
プロフィール
株式会社モリシタ・アット・リフォーム
代表取締役 森下吉伸
インタビュアー
株式会社リフォーム産業新聞社
取締役 報道部長 福田善紀
1980年7月生まれ。北海道函館市出身。明治大学卒業後、2003年飲食店経営者向け情報紙「調理と経営」入社。
グループ内異動により、賃貸業界向け専門新聞社を経験後、2006年に「リフォーム産業新聞社」入社。
2012年編集部デスク、2013年編集長を経て、2015年 報道部長、2017年からは企画開発部部長を兼務。2020年取締役に就任。現在に至る。
リフォーム会社の取材件数は1000社を超える !
一般社団法人日本住宅保全協会
理事 深川真樹
1977年8月生まれ。
東京都杉並区出身。
2010年に一般社団法人日本住宅保全協会を創設し、今日までに全国300社以上の住宅リフォーム系事業者及び不動産管理会社への営業研修を務める。全国の住宅診断数も延べ2,500件以上。